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2009年7月 7日 (火)

対子場についての数理的考察

壱 対子(暗刻)の存在が対子のできる確率に与える影響

手牌に四があるとする。このとき、一枚つもったときにそれが四である確率は、3/133≒0.022556である。
また、手牌の右端に四があるときに他家の右端の2枚が対子であることが分かったとしよう。このとき、1枚つもったときにそれが四である確率はどれくらいか。
まず、対子の牌が四である確率を求める。その確率は、(3/133×2/132)÷{(3/133×2/132)+(130/133×3/132)}=1/66である。(ちなみにこれは、相手の右端の2枚が四の対子であることが分かったときに、自分の右端の牌が四である確率と等しい。)
よって、求める確率は、1/66×1/131+65/66×3/131=98/4323=0.022669
(また、暗刻の場合について、下の※1に記した。)
つまり、対子の存在によって対子ができる確率はわずかに増加するということになる。

また、対子場は順目が進むにつれ強くなるといわれることがある。「対子が対子を生み、さらに、その対子が対子を生んでいくから、指数関数的に対子ができやすくなっていく。」という話である。これは明らかにおかしい。
例えば、上の計算と同じ様に、手牌の右端に四があるときに他家の右端の2枚が対子であることが分かったとしよう。このとき、4回つもったときに、4回目の牌が四である確率はどれくらいかを考えてみる。「 」が正しければ、その前の3枚のツモ牌の中で対子もしくは暗刻ができやすくなっていて、その対子が対子を生むから4回目の牌が四である確率は0.022669より高くなるはずである。しかし、この確率は上と同じ0.022669であるからこれは矛盾している。

※1
手牌の右端に四があるときに他家の右端の3枚が暗刻であることが分かったとしよう。このとき、1枚つもったときにそれが四である確率はどれくらいか。
まず、暗刻の牌が四である確率を求めよう。その確率は、(3/133×2/132×1/131)÷(3/133×2/132×1/131+130/133×3/132×2/131)=1/131である。
よって、求める確率は、1/131×0/130+130/131×3/130=3/131=0.022901

弐 暗刻の存在が順子のできる確率へ与える影響

手牌にある数牌Xがあったとして、10回つもった結果Xをふくむ順子ができる確率は、0.145048である。
(具体的な計算過程は下の※2を参照。以降も同様)

相手の手牌の右3枚が暗刻であると分かったときは、この確率は以下のように変化する。
 北が暗刻のとき 0.150514
 一が暗刻のとき 0.149576
 二が暗刻のとき 0.144360
 三が暗刻のとき 0.139145
 四が暗刻のとき 0.140312
 五が暗刻のとき 0.140312

ここで、
 北と同じ確率になるのは、残りの字牌全部。
 一と同じ確率になるのは、九、1、9、(1)、(9)。
 二と同じ確率になるのは、八、2、8、(2)、(8)。
 三と同じ確率になるのは、七、3、7、(3)、(7)。
 四と同じ確率になるのは、六、4、6、(4)、(6)。
 五と同じ確率になるのは、5、(5)。
だから、
暗刻があるときの確率を34種の牌全部について平均を計算すると、
 (0.150514×7+0.149576×6+0.144360×6+0.139145×6+0.140312×6+0.140312×3)÷34
=0.144556

順子ができる確率が、普通の状態で0.145048、暗刻があるときで0.144556だから、暗刻の存在により順子ができる確率はわずかに減少することが分かる。

※2
A 普通の状態のとき

手牌に一があって10回つもったときに、一をふくむ面子ができる確率は、
二をつもる確率が、1-129/133×128/132×…121/125×120/124=0.271229
となり、三をつもる確率も同じく0.271229だから、
P(二∩三)=0.271229×0.271229=0.073565
(ここで、10回つもったときに二をつもる事象を二と表した。また、二と三は厳密には独立でないが、独立であると近似して計算した。以降も同様)

手牌に二があって10回つもったときに、二をふくむ面子ができる確率は、
 P((一∩三)∪(三∩四))
=P(一∩三)+P(三∩四)-P(一∩三∩四)
=0.271229×0.271229+0.271229×0.271229-0.271229×0.271229×0.271229
=0.127177

手牌に三があるときの確率は、
公式P(A∪B∪C)=P(A)+P(B)+P(C)-P(A∩B)-P(B∩C)-P(A∩C)+P(A∩B∩C)より、
 P((一∩二)∪(二∩四)∪(四∩五))
=P(一∩二)+P(二∩四)+P(四∩五)-P(一∩二∩四)-P(二∩四∩五)
 -P(一∩二∩四∩五)+P(一∩二∩四∩五)
=P(一∩二)+P(二∩四)+P(四∩五)-P(一∩二∩四)-P(二∩四∩五)
=0.271229×0.271229+0.271229×0.271229+0.271229×0.271229
 -0.271229×0.271229×0.271229-0.271229×0.271229×0.271229
=0.180789

この確率の数牌全体の平均は、万子全体の平均と同じだから、
 (0.073565×2+0.127177×2+0.180789×5)÷9
=0.145048

B 北が暗刻のとき

手牌に一があるときの確率(…a)は、
二、三をつもる確率が、
1-126/130×125/129×…×118/122×117/121=0.276815となるから、
0.276815×0.276815=0.076627

手牌に二があるときの確率(…b)は、
 P((一∩三)∪(三∩四))
=P(一∩三)+P(三∩四)-P(一∩三∩四)
=0.276815×0.276815+0.276815×0.276815-0.276815×0.276815×0.276815
=0.132042

手牌に三があるときの確率(…c)は、
 P((一∩二)∪(二∩四)∪(四∩五))
=P(一∩二)+P(二∩四)+P(四∩五)-P(一∩二∩四)-P(二∩四∩五)
=0.276815×0.276815+0.276815×0.276815+0.276815×0.276815
 -0.276815×0.276815×0.276815-0.276815×0.276815×0.276815
=0.187457

他の万子の牌は、
四~七は、cと同じ0.187457
九は、aと同じ0.076627
八は、bと同じ0.132042

よって、この確率の数牌全体の平均は、万子全体の平均と同じだから、
 (0.076627×2+0.132042×2+0.187457×5)÷9
=0.150514

C 一が暗刻のとき

手牌に二があるときの確率は、
P(一)=10/130=0.076923より、
 P((一∩三)∪(三∩四))
=P(一∩三)+P(三∩四)-P(一∩三∩四)
=0.076923×0.276815+0.276815×0.276815-0.076923×0.276815×0.276815
=0.092026

手牌に三があるときの確率(…d)は
 P((一∩二)∪(二∩四)∪(四∩五))
=P(一∩二)+P(二∩四)+P(四∩五)-P(一∩二∩四)-P(二∩四∩五)
=0.076923×0.276815+0.276815×0.276815+0.276815×0.276815
 -0.076923×0.276815×0.276815-0.276815×0.276815×0.276815
=0.147441

その他の牌では、
四~七、3~7、(3)~(7)は、cと同じ0.187457
一(1枚のみ)、九、1、9、(1)、(9)は、aと同じ0.076627
八、2、8、(2)、(8)は、bと同じ0.132042

よって、一を0.25と数えてこの確率の数牌全体の平均を計算すると、
 (0.092026×1+0.147441×1+0.187457×14+0.076627×5.25+0.132042×5)÷26.25
=0.149576

D 二が暗刻のとき

手牌に一があるときの確率(…e)は、
 P(二∩三)
=0.076923×0.276815
=0.021293

手牌に三があるときの確率(…f)は、
 P((一∩二)∪(二∩四)∪(四∩五))
=P(一∩二)+P(二∩四)+P(四∩五)-P(一∩二∩四)-P(二∩四∩五)
=0.276815×0.076923+0.076923×0.276815+0.276815×0.276815
 -0.276815×0.076923×0.276815-0.076923×0.276815×0.276815
=0.107425

その他の牌では、
四は、dと同じ0.147441
五~七、3~7、(3)~(7)は、cと同じ0.187457
九、1、9、(1)、(9)は、aと同じ0.076627
二(1枚のみ)、八、2、8、(2)、(8)は、bと同じ0.132042

よって、二を0.25と数えてこの確率の数牌全体の平均を計算すると、
 (0.021293×1+0.107425×1+0.147441×1+0.187457×13+0.076627×5+0.132042×5.25)÷26.25
=0.144360

E 三が暗刻のとき

手牌に二があるときの確率は、
 P((一∩三)∪(三∩四))
=P(一∩三)+P(三∩四)-P(一∩三∩四)
=0.276815×0.076923+0.076923×0.276815-0.276815×0.076923×0.276815
=0.036693

その他の牌では、
一は、eと同じ0.021293
三(1枚のみ)、六、七、3~7、(3)~(7)は、cと同じ0.187457
四は、fと同じ0.107425
五は、dと同じ0.147441
九、1、9、(1)、(9)は、aと同じ0.076627
八、2、8、(2)、(8)は、bと同じ0.132042

よって、三を0.25と数えてこの確率の数牌全体の平均を計算すると、
 (0.036693×1+0.021293×1+0.187457×12.25+0.107425×1
 +0.147441×1+0.076627×5+0.132042×5)÷26.25
=0.139145

F 四が暗刻のとき

手牌に二があるときの確率は、
 P((一∩三)∪(三∩四))
=P(一∩三)+P(三∩四)-P(一∩三∩四)
=0.276815×0.276815+0.276815×0.076923-0.276815×0.276815×0.076923
=0.092026

その他の牌では、
三、五は、fと同じ0.107425
四(1枚のみ)、七、3~7、(3)~(7)は、cと同じ0.187457
六は、dと同じ0.147441
一、九、1、9、(1)、(9)は、aと同じ0.076627
八、2、8、(2)、(8)は、bと同じ0.132042

よって、四を0.25と数えてこの確率の数牌全体の平均を計算すると、
 (0.092026×1+0.107425×2+0.187457×11.25+0.147441×1+0.076627×6+0.132042×5)÷26.25
=0.140312

G 五が暗刻のとき

三、七は、dと同じ0.147441
四、六は、fと同じ0.107425
五(1枚のみ)、3~7、(3)~(7)は、cと同じ0.187457
一、九、1、9、(1)、(9)は、aと同じ0.076627
二、八、2、8、(2)、(8)は、bと同じ0.132042

よって、五を0.25と数えてこの確率の数牌全体の平均を計算すると、
 (0.147441×2+0.107425×2+0.187457×10.25+0.076627×6+0.132042×6)÷26.25
=0.140312

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